やさしいパンの話。

9月25日(火)発売の「シティ情報くまもと10月号」では、それぞれのパン屋に、美味しさの向こう側にある、わざわざ会いに行きたくなるほどの魅力を探りに熊本県内を回って、実際に会ってきたパンに携わる人たちの話をお届けしています。

今回はその中から、パンの味や店内の雰囲気から伝わる女性オーナーたちから生み出される、それぞれの「やさしいパンの話」を一部抜粋してご紹介いたします。

 

●notおにぎりbutパン! 人と人とを結ぶ「お結び」
omusubi.

 

店主 上村麻耶子さん
Instagram @o_mu_su_bi

長年お店を持たず委託販売やマルシェの出店のみ、販売するとあっという間に完売してしまう人気のパン『おむすび』。店主の上村麻耶子さんは今年3月、店名を新たに『omusubi.』として熊本市南区に待望の実店舗をオープンした。パンを売っているのに「おむすび」? ちょっと変わった店名の「omusubi.」は、人と人とを結ぶ「お結び」のこと。お店を持っていなかったのにも関わらず、様々な場所で彼女と彼女のパンに出会ったファンは多く、開店から半年経った今もなお営業終了時間を迎える前に売り切れてしまう人気ぶりだ。

 

取材中もとにかくよく笑う彼女につられて取材陣もずっと大爆笑。終始笑顔の絶えない時間だった。作るのが大好き、と話すちょっぴり人見知りだけど明るく楽しい上村さんと、彼女の作るシンプルで素朴だけど、どんな食卓にも寄り添ってくれるパンたちに会いに行く人はこれからもきっと絶えない。たくさんの人と結んできた縁を大切に、今日もまた美味しいパンと笑顔で私たちを迎えてくれる。

どの季節も人気だというドーナツ(216円)は外は少しカリッと、中はふわっと。懐かしさを感じるやさしい味。顔になっているチョコベーグル(205円)とミニサイズのみるく食パン(216円)は食べるのが惜しくなる可愛さだ

omusubi.
住所/熊本市南区南高江2-11-20
営業/11:00~16:00
休/木曜・不定
P/あり
カード/不可


●ちいさな町のちいさな拠り所
kichijitsu Bakery

 

店主 吉井さん
Instagram @kichijitsu_bakery
kichijitu Bakery facebook 

熊本市南区良町。車1台分ほどの細い路地を進むと、住宅ばかりが立ち並ぶ中に「ちいさなパン屋さんkichijitsu Bakery」と書かれた黄色い看板が見えてくる。

 「いつか、自分のお店が欲しいってずっと思ってて。正直、売るものは何でもよかったんです。とにかくベースにあるのはほっとする空間を作りたいっていう想い。友人の多くがママになって、毎日不安を抱えている姿を見て、少しでも助けられないかなと。それで、最近この辺りに若い子育て世代の人が増えてきてることに気がついて。ここに引っ越してきたママ達が気軽に来れるような場所を作りたいと思ったんです。」パン屋で働いていたことをきっかけに、自宅でも作るようになったという店主の吉井さん。そのこだわりは徐々に強くなり、勉強のためにと他のパン屋へ話を聞きに行くほどまでに。そうして、『kichijitsu Bakery』は実家の土間での販売から始まった。

八代の『ENDELEA COFFEE』でコーヒーゼリーに合う豆をセレクトし、挽きたて、淹れたてのブラックコーヒーをゼリーにした贅沢すぎる逸品。秋口までの期間限定商品だ

お店のオープンは午前10時。そこから、パンの種類によって焼き上がりの時間が違うのだ。「早く来ないと買えないのではなく、いつ来てもたくさんの種類のパンが並ぶお店」にするために、あえて時間をずらしているそう。そして、スタッフの必須条件の中にあるのはママの気持ちが分かること。共感してくれる人が近くにいるだけで、ママ達の心は救われるだろう。これからも、ここで過ごした日々が一人でも多くの人の吉日(キチジツ)”となることを祈って。

 


kichijitsu Bakery

住所/熊本市南区良町1-4-11
電話番号/080-3907-1983
営業時間/10:0017:00(OS 16:00)
定休日/日・月曜 (臨時休業・イベント出店あり)
駐車場/あり
カード/不可


●パン屋として、パティシエとして、母として。
Bake shop Hatch

 

店主 村上さん
Bake shop Hatch facebook

’186月、玉名市岱明町に誕生した『Bake shop Hatch』は、身体に心にやさしいをコンセプトにしたパンと焼き菓子の店。

 周りには田んぼが広がり、稲がそよそよと泳いでいる。そんなのどかな空気が漂う場所で、毎朝パンと焼き菓子を作るのは店主の村上さん。なんと保育園児から小学生までを育てる3児の母でもある。実は彼女、専門学校を卒業してからずっと、パティシエとしてケーキ屋で働いていたそう。「当時、家でよくケーキを作っていたんですけど、やっぱりケーキって何か特別な日に食べるものじゃないですか。そうじゃなくて、皆が日常的に食べられるものを作りたくて。そんな時、パンがいいんじゃないかと思ったんです。そこから独学でパン作りを始めました。」

多いときは40種ほどのパンが並ぶ店内。パンも焼き菓子も村上さん1人で作っているというのだから驚き

 

試行錯誤を繰り返したパンには、天然酵母とコクのあるきび砂糖が使用され、すべての生地にハチミツが練り込まれている。店名の“Hatch(ハッチ)”はここからきているのだそう。

取材時も近所に住む人から帰り道は逆だけどわざわざ来ているという人まで、彼女のパンを求める人が絶えず、その人たちが口をそろえて言うのは「ここのパンはやさしい味」。パン屋、パティシエ、3児の母という3つの視点が織り交ざり完成するパンは、彼女にしか作れない逸品だ。

1番人気は自家製カスタードがたっぷり入ったクリームパン。他にも玉名産小麦を使用したベーコンエピ、ふんわりブラウニーとダックワーズなど、おやつから翌日のモーニング用まで…とついつい手を伸ばしてしまう

Bake shop Hatch
住所/玉名市岱明町古閑194-1
電話番号/0968-88-0102
営業時間/10:0018:00
定休日/月・木・日曜
駐車場/あり
カード/不可

 

このほかにも「シティ情報くまもと10月号」では、思わず「会いに行きたくなる」パンや、懐かしさを感じるお店などバラエティ豊かにご紹介しています。

ぜひ、誌面にてご覧ください。

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