種をまく人びと(3)【刈水庵】

今回の島原半島の取材にあたり、島原半島へ実際に足を運んで感じたことは、さまざまな角度から島原の魅力を発信している人が増えてきているということ。

古き良き町並と新しい息吹が共存するこのエリアは、今まさにクリエイターたちが種をまいている時期なのかもしれない。

観光目線とは一味違う、クリエイティブな視点から島原半島で活躍する人びとの話をお届けします。

 

本企画の最後にご紹介するのは、小浜町内の小高い丘に佇む『刈水庵』です。

 

クリエイティブな地域づくりの拠点。

『刈水庵』

 

最後に訪れたのは、小浜の海岸線から車の通れない細い小道が続く小高い丘を登った先にあるショップ兼カフェ『刈水庵』。

小浜出身のデザイナー・城谷さんが、空き家の多い刈水地区の自然環境を活かしながら、住人と観光をクロスマッチングさせる地域活性プロジェクト「刈水エコビレッジ構想」の拠点となることを目指し、’13年にオープンさせた。

1階は『STUDIO SHIROTANI』がデザインするプロダクトや友人の工芸家による作品などを扱うショップ、2階はノスタルジックなカフェとなっている。『刈水庵』全体が、まるで映画の世界に入り込んだようなノスタルジックな雰囲気を纏う。

 

 

日常に寄り添ったプロダクトやアイテムのほか、城谷さんがデザインを手がけた商品や、旅先で出会った物が並ぶ

刈水地区には現在7名のクリエイターが移住してきており、『刈水庵』を中心に草木染め工房、機織り工房、再生可能エネルギーの事務所などを構え、それぞれ活動している。

「若い人たちが自分たちの価値観で町を楽しくする。その手助けをしたいのです」と城谷さん。

「自分の住んでいる地域を楽しい町にしたい」という若者が、刈水地区だけでなく小浜にもだんだんと増えており、町に活気が戻りつつあるという。

また今後、刈水地区にある他の空き家を活用する計画や、イベント開催の構想もあるのだとか。

都会では観られない澄んだ星空、車の騒音に邪魔されない静かな環境、緑に囲まれた自然…豊かな想像力を育むヒントが散りばめられた暮らしが、クリエイターたちを迎え入れる。

「『刈水庵』を気に入って、また訪れようと思ってもらいたい。そして、それから背景を知っていずれは刈水地区に移住してきてもらいたい」。

城谷さんの想いが込められた『刈水庵』を拠点とした、クリエイティブな力で進める地域づくりが今後どこまで広がっていくのか。熊本から30分の船旅を経て、見届けにまた行きたい。

 

元は大工の棟梁の屋敷だった築80年の建物を、ボランティアと大学生の手を借りて半年かけて改装。落ち着いた環境が心地よく、読書を楽しむ人もいるそう

 

カフェスペースにある窓辺の席からは、眼下に海岸を望む。小浜で焙煎しているコーヒーとオレンジピールチョコレートのセット(600円)で安らかな休息を

 

 

刈水庵

住所

長崎県雲仙市小浜町北本町1011
電話番号

0957-74-2010
営業時間

10:00〜17:00
休み

火・水曜

カード

P

小浜マリンパークの駐車場を利用
https://www.karimizuan.com/

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